中小企業庁:令和5年度「地域中小企業人材確保支援等事業(中核人材確保支援能力向上事業:実証機関)」受託事業

令和3年度 京都府北部エリアにおける支援事例
「『副業』専門人材を活用した経営課題解決の実践」

丹後自動車振興株式会社
テーマ:自動車教習所のSNSマーケティング

副業人材募集の背景と課題

弊社は、京丹グループの中核会社として、与謝野町で自動車教習所を運営しています。関連会社6社を有し、多角的に事業を営んでいます。
当教習所の教習では、「命の尊さ・大切さ」を常に心がけ、ルールを遵守した安全運転の姿勢を徹底することに重点を置いたドライバーの育成に取り組んでいます。このような指導方針は、大手高速バス会社様などにも高く評価していただき、新人ドライバーの大型2種免許取得にあたっては当教習所にご用命いただき業務支援をお任せいただいています。
弊社は、京阪神の大学生などをターゲットに、グループ会社(ホテル)とも連携した合宿による運転免許取得などのサービスを提供していますが、現状の広報・PRの取り組みに問題を感じています。「大学生などの若者のメディアに対する選好を意識した広報・PR方法への転換、とりわけSNSによる情報発信やコミュニケーションの導入・運用により効果的なPRを実施すること」に取り組む必要があると考えました。

副業人材を活用してみようと考えた理由

従来より課題を意識しながら、社内のリソースだけではその解決に取り組めていなかったので、副業人材を活用して課題解決に取り組んでみようと思いました。そのため、副業人材の活用という当社にとっては未知の取り組みでしたが、不安はなく期待の方が上回りました。副業人材とは業務委託契約を結び、月々支払う報酬額は少額かつ定額であるため、課題解決に取り組んでみて効果があれば契約を更新し、効果がなければ契約を終了するという柔軟な運用が可能で、弊社のコスト負担を抑えて優れたスキルやノウハウを調達できるという意味で、大きなメリットがあると思いました。

副業人材の募集~採用、副業人材に対する評価

書類選考では、経歴や実績等から課題解決のスキルを持っていそうな方を選出しました。オンライン面談では人柄や雰囲気等から「相手が見える・分かる」を意識して選出し、10名の応募者の中から1名を採用しました。副業人材の方はSNSを用いたブランディングの経験が豊富な方で、弊社がこれまで取り組めなかった課題に取り組んで解決ができるだろうと思いましたし、弊社の期待を上回る力を持っている方だと思いました。採用して3か月ぐらいですが、最初の1~2か月は副業人材の方との壁打ちから始まりました。教習所で使用する教本、教習所の考え方等の情報を副業人材の方に提供しました。教習所は固いイメージで、「命の尊さ・大切さ」を常に心がけてルールを遵守した安全運転の姿勢を徹底することを重視していますので、ゆるい内容を情報発信するわけにはいきません。この情報発信の内容について、重点的に打合せを行いました。3か月目の今はSNSで発信するPR内容の作成やコミュニケーションプランの策定に取り組んでいます。副業人材の方と交わした業務委託契約の契約期間を更新し、引き続き課題解決に取り組んで行こうと考えています。

副業人材との課題への取組(プロジェクト)の状況及び現状

副業人材の方とは、円滑にコミュニケーションが取れており、課題への取組をスムーズに進めることができています。最初は週1回の定期ミーティングにしていましたが、LINEやメールで相談や打ち合わせができてきましたので、2週間に1回の定期ミーティングにしました。社長と3名の社員がチームを組んで、副業人材の方と「SNSでの若者向けの情報発信を具体的にどうしていくのか」を良い雰囲気で打ち合わせています。

副業人材の活用により目指す姿

まだ課題解決の具体的成果のアウトプットには至っていませんが、副業人材の方と課題への取組を共に行うことで、動画制作を含むSNSマーケティングを導入・運用し、若者向けの広報・PRを効果的に実施して参ります。

前のページへ戻る