中小企業庁:令和4年度「地域中小企業人材確保支援等事業(中核人材確保支援能力向上事業:実証機関)」受託事業

令和3年度 京都府北部エリアにおける支援事例
「『副業』専門人材を活用した経営課題解決の実践」

株式会社松井物産
テーマ:“京都・天橋立”の魅力を発信!SNSマーケターの募集

副業人材募集の背景と課題

創業(1921年)以来、天橋立とこの地域の魅力を誰よりも知る当社は、地域資源にアクセスできる独自のネットワークを駆使して当社ならではの観光プランを提案していくことに取り組んでいます。その方法として、SNSによるプロモーションを推進しています。長期的には、SNS経由で個人客の集客やECサイトでの地場産品の販売、海外顧客向けの越境ECなどの取り組みにもつなげていきたい考えです。そのため、弊社が優先的に取り組む課題は「SNSを活用した観光ニーズの発掘や集客改善の方法を確立し、SNSの運用力を高めること」だと考え、副業人材の方と課題解決に取り組んでいます。

副業人材を活用してみようと考えた理由

弊社は20年前から営業代理人と契約しているので、まずはこの方と同じように活用したいと思いました。異なる点は、海外対応ができ、新しいネットツールを理解・駆使し、販売と支払い決済の両方ができるというような高度なスキルを持った人材はやはり都市部でないと見つからないことです。だから、都市部の副業人材は魅力的で、早速、副業人材の活用に取り組もうと思いました。

副業人材の募集~採用、副業人材に対する評価

書類選考では「インターネット、コンピュータ、SNSに強いこと」「国内と海外それぞれの広告・販売のサイトが分かること」を最低限の要件とし、オンライン面談では「ある特定分野の専門家ではなく、全体的に強みを持ち、外国人に自然と伝わる語学レベルを有すること」を採否の基準にしました。すなわち、幅広い経験や知識を持った人材を求めました。副業人材の方とは課題解決の方向性が決まるまで、オンラインの定例会議を2週間に1回開催しました。最近はメールやビジネスチャットを随時使用して打ち合わせをしています。こちらからの相談に何でも答えてもらえるので、顧問のような存在です。

副業人材との課題への取組(プロジェクト)の状況及び現状

相談内容は多岐にわたり、InstagramやFacebookの有効活用、広告やネット販売の拡大、新規事業についての企画立案や推進方法等、何でも相談しています。対面での相談は全くしていませんし、必要ないと考えています。私自身が日常生活で考えたことでも、副業人材の方に相談すれば顧問の立場から回答を出してくれます。それが、課題解決の提案内容と考えており、今後の弊社の経営判断に役立てています。

副業人材の活用により目指す姿

コロナ終息はまだ先のことと考えています。そのため、インターネットでの販売チャンネルと購入の電子決済を強化し、販売と決済を同時にできることを目指して取り組んでいます。1つの製品の販売チャンネルが成功すれば2つ目、その次と展開していきます。アイテムを一気に増やすやり方はやめます。商品を紹介して販売するだけでなく、商品紹介の前に地域紹介の動画を見ていただくことで商品の魅力に直結させたり、購入者のコメントを紹介したりすることで差別化を図っています。
そのためにも、副業人材の方に相談し、いわゆる壁打ち的に考えを巡らせていくことで、経営判断をしています。今の副業人材の方には長期的にお手伝い頂き、将来的には海外営業もやってもらいたいと考えています。

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