中小企業庁:令和4年度「地域中小企業人材確保支援等事業(中核人材確保支援能力向上事業:実証機関)」受託事業
弊社は、「地酒屋」として地域の皆様に愛されることを目標に、地域の皆様とのつながりを大切にしています。このつながりは、丹後地域から京都府、日本全国、果ては世界の国々へと連なって参ります。地域と共存共栄し、安全安心な食品づくりと幸せな世界への貢献を目指し、日々研鑽を重ね、努めていくことが我々企業のあり方だと考えています。
弊社の若き杜氏の「日本酒にはワインのような高価格帯がなかった。世界のマーケットを相手にできる酒を造ろう」という思いが、研鑽と試行錯誤を重ねて『in/ei(陰翳)』という製品に結実しました。2017年に発売すると、海外顧客の間で評判は瞬く間に広がり、香港、フランス、シンガポール、中国と取引先は増え続けています。今後は、北中米などに海外販路をさらに拡げていきたいと考えていました。
この度、副業人材の力を借りて「弊社の高価格帯製品の販路開拓を北中米地域で展開すること」に着手しました。
海外販路開拓ができる人材を雇用したり、商社等を活用するなどの手段を講じようとすると大きなコストがかかります。経験や知見、ネットワークを持った副業人材の方からある程度の示唆を頂くことはそれらと比較して負担が軽く、解決したい課題があればある程、その任に応えられる専門知識やノウハウを持つ副業人材を活用することは合理的な課題解決の方法になると考えています。
応募書類段階での選考では「出題した課題に的確に回答できているか」「海外販路開拓で必要な語学力があるか」を重視し、オンライン面談では「具体例・成功例だけでなく、失敗例もあって、失敗した原因・理由をきちんと把握されていること」を基準にして、21名の応募者の中から1名を採用しました。中小企業には大企業のような成功例とその方策はそのまま適用するのは難しいので、失敗例を分析する中から中小企業にマッチする情報を求めました。また、人柄も重視しました。採用した副業人材の方は非常に研究熱心で、弊社のことも海外販路開拓についても調べ尽くして課題解決に取り組んでいただける素晴らしい方です。
副業人材の方との打ち合わせは、会長や社員が休日に週1回60~90分間ZoomやLINEを使用して行っています。弊社も副業人材の方も、打ち合わせるテーマをその都度決めて話し合い、次の打ち合わせで話し合う内容を決めて、無駄なく段階的に取り組んでいます。副業人材の方がお持ちの人脈を使って情報を仕入れて頂いたり、ディストリビューターの方やセールスレップを探して頂いたりしました。副業人材との業務委託契約は3か月単位で行い、2回目の契約をして、副業人材の方と課題解決に取り組んでいます。課題解決の提案内容ですが、まずは販路開拓のための調査をし、次に弊社の意図を汲んで頂いた上で販路拡大の工程表を示して頂きました。また、弊社からの質問に対して20数ページに及ぶ報告書を作って明確に答えて頂きました。なお、副業人材の方とは出張先の折リアルの打合せをすることもあり、お互いの信頼関係を深めています。
弊社も副業人材の方も同じ方向を向いて、深い信頼関係を築いて、課題解決に進んでいます。海外のディストリビューターの選定とそのコンタクトはまだ実現していませんが、順次取り組んで行きたいと考えています。