中小企業庁:令和4年度「地域中小企業人材確保支援等事業(中核人材確保支援能力向上事業:実証機関)」受託事業

令和3年度 京都府北部エリアにおける支援事例
「『副業』専門人材を活用した経営課題解決の実践」

株式会社今しぼり
テーマ:事業成長を加速化させる販路開拓戦略の立案

副業人材募集の背景と課題

弊社は2017年に綾部市志賀郷で移住者が立ち上げた、古式本醸造の醤油醸造企業です。無農薬の原材料を用いた醤油の手作りキットを、「育てる醤油」のブランドで販売しています。徐々に販路も広がり世間に浸透してきてはいますが、当社が優先的に取り組むべき課題は、「事業成長を加速化させる販路開拓戦略の立案・実行」による新たな販路(海外を含む)の開拓と、事業の成長スピードを加速することだと考えています。

副業人材を活用してみようと考えた理由

最初、「副業」と聞いた時にはピンときませんでしたが、商工会議所の仲介で中小企業庁事業事務局の方とお会いし、副業人材の活用による課題解決支援の説明を受けているうちに、当社の課題に取り組む上で、スキルと経験を持った都市部の専門人材が「副業」形式で手伝ってくれるのであれば、この制度はほんとうに中小企業のためのサポート事業だと感じました。本来ならば自社の課題を具体化して、その解決に必要な人材を探すことは全部自分たちでやらなければならないことですが、今回は中小企業庁事業事務局や商工会議所、京都北都信用金庫が親身にサポートしてくれました。

副業人材の募集~採用、副業人材に対する評価

応募書類段階での選考では、「職務経歴や専門分野及び経験」と「副業に取り組む理由、当社の課題にどのようにアプローチしようと考えているのかなど」応募動機を重視し、オンライン面接では、「気持ちよく一緒に仕事が出来そうな人か」という人柄で判断し、26名の応募者の中から2名の方を採用しました。これはという方を採用できた理由は、予想以上にレベルの高い応募者を多数集められたことと、副業人材に期待する内容が明確であったからだと思います。1名はマーケティングのコンサルタントの方で、マーケティングの初歩である“利益を生む仕組み”や“原価の考え方”から、“商品・ブランドの魅力の設定方法”についても分かり易く教えて頂きました。もう1名は大手企業で海外勤務の経験が豊富な方で、商品の販路開拓の提案をいただき、首都圏を中心とした販路開拓の立案・実施に、継続して取り組んでいただいています。

副業人材との課題への取組(プロジェクト)の状況及び現状

チャットワークやZOOMなどのオンラインツールを使用し、対話・資料(情報)の共有を進めていきました。副業人材とは、少ない回数でもリアルで面談ができればと思っていましたが、結果的にはコロナ禍でそれはできていません。ただオンラインツールを使ってみると、今までのリアルでの面談に要する移動の時間やコストを考えれば大したツールだと思います。少し苦労はしましたが、今後の財産になると思っています。副業人材の活用による具体的な成果のアウトプットはこれからですが、マーケティングや販路開拓の基礎的・実践的な経営の知識・情報を得て、今後の事業成長の基礎固めはできました。

副業人材の活用により目指す姿について教えてください

弊社は幸い、大きな設備投資をしなくとも生産能力の向上を図ることが可能だと判断できたため、今後も副業人材の力を借りながら、さらなる販路拡大に取り組み、事業基盤を安定させていく考えです。

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